オプンチア・フラグリス(Opuntia fragilis)について

 オプンチア・フラグリス(Opuntia fragilis)は北米を原産とするウチワサボテンの一種です。茎節は丸くころころとして地を這うように伸びて高さは10cm程度、花はウチワサボテンとしては一般的な黄色の小型種です。
 最も北まで分布するサボテンとして知られ「北限のサボテン」と言っていいでしょう。分布は北アメリカ大陸西部で南はアメリカ合衆国ニューメキシコ州からロッキー山脈を含み、北は北極圏近くカナダのアルバータ州に及びます。
 分布の北への広がりから分かるように、このサボテンの特記すべきところは、耐寒性でしょう。海外文献では耐寒温度は−50℃という記述が見られますが、あくまで乾燥地であって、我が国のような多湿低温ではそこまでは無理だと思います。
 近年では、このサボテンの耐寒性、小型、花の美しさという特性を生かし、このサボテンをベースとした交配種が、花色もピンクを中心として海外で作出されています。
 わが国では、これらの交配種は、まったくといっていいほど紹介されておらず、栽培例もほとんどないと言っていいでしょう。わが国でも周年屋外で栽培できるサボテンとして大いに期待できると思います。
 露地植えについては、冬季が多湿低温となるわが国ではかなりの制限があり、露地植え可能なサボテンとしては未知数ですが、栽培例を通じて徐々に分かってくると期待しています。






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